アスカ、来日 —新旧エヴァ名シーン比較③—

 「新旧エヴァ名シーン比較」シリーズの第三弾、今回はアスカ編だ。アスカは、テレビシリーズでは「第八話 アスカ、来日」から、新劇場版では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』から登場した。*1いずれもEVA弐号機(2号機)とともに登場しており、インパクト抜群だ。

惣流・アスカ・ラングレー、来日
 テレビシリーズ第八話では、ドイツのNERV第3支部からEVA弐号機が送られてくる(海路)。*2アスカや加持も弐号機とともにやって来た。ミサトは太平洋上を運ばれてくる弐号機を確認しに行き、そこにシンジ、トウジ、ケンスケも連れて行ったのだった(EVAパイロットであるシンジは良しとしても、一般人であるトウジとケンスケを連れてくるのはいかがなものか*3)。
 アスカはシンジに初号機を見せ、以下のように言う。

「違うのはカラーリングだけじゃないわ。所詮、零号機と初号機は開発過程のプロトタイプとテストタイプ。訓練なしのあなたなんかにいきなりシンクロするのがそのいい証拠よ。けどこの弐号機は違うわ。これこそ実戦用に造られた、世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ!正式タイプのね!」*4

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「世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ!」(上下ともに『新世紀エヴァンゲリオン』「第八話 アスカ、来日」より。)

 上の台詞の「所詮、零号機と~」以下は弐号機の上に乗って話している。シンジが立っているところからアスカがいる場所まで軽く5~6mくらいありそうだ。しかもしっかりとした靴を履いていなさそうである。高所かつ不安定なところにしっかりと立っているという事実から、アスカの度胸と身体能力の高さをうかがい知ることができる。しかもこの台詞の後、使徒襲来による衝撃波がこの場所を襲う。それでもアスカは微塵もよろけることなくしっかりと立っている。とてつもない体幹を持っているようである。
 零号機は試作機、初号機は試験機であり、量産を目的とした実用機としては弐号機が初の機体であり、ある意味「世界初の本物のエヴァンゲリオン」であることは間違いない。それをアピールしたい気持ちも分かるが何もそんな高いところから言わなくても…落ちて怪我でもされたら作戦運用に支障をきたしてしまうではないか。

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弐号機の上で大きく手を振るアスカ。(上下ともに『新世紀エヴァンゲリオン』「第八話 アスカ、来日」より。)

 これは弐号機の上で大きく手を振り被っているアスカである。こんなにも大きなアクションだが体がブレる様子は全く見られない。常人離れした体幹の持ち主であることが分かる。

式波・アスカ・ラングレー、来日
 テレビシリーズ初登場時のアスカはシンジと二人がかりで使徒を倒したが、新劇場版のアスカは違う。華麗な空中戦を繰り広げ、自分ひとりの力であっと言う間に第7の使徒を殲滅してしまったのだ。使徒殲滅後、アスカは次のように言う。

「違うのはカラーリングだけじゃないわ。所詮、零号機と初号機は開発過程のプロトタイプとテストタイプ。けどこの2号機は違う。これこそ実戦用に造られた、世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ!正式タイプ*5のね!」*6

 発言内容はアニメ第八話とほとんど変わらない。これもやはり2号機の上で発せられた台詞である。

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2号機の上で喋るアスカ。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より。)

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2号機の上で喋るアスカ。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より。)

 相変わらず抜群の身体能力である。ただし、アニメと違うのは服装だ。アニメでは私服だったが、『:破』ではプラグスーツを着ている。プラグスーツの方が足元もしっかりとしている。ここだけを切り取れば惣流アスカの方が不安定な状況で立っていたと言える。
 しかし、『:破』の2号機は停車場に格納されるために画像左方向に向かって動いていた。動く物体の上で仁王立ちすることは容易ではない。しかも地面からも相当離れていそうである。式波アスカもかなりの体幹を持っていることが分かるだろう。

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2号機からスルスルと降りてくるアスカ。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より。)

 これは2号機から器用に滑り降りるアスカである。いかにもスルスルと滑りそうな機体表面からケガもなく降りてくる式波アスカ、かなりの身体能力を持っていそうだ。

今回のまとめ
 テレビシリーズと新劇場版のアスカ登場のシーンを比較すると、惣流アスカも式波アスカもかなりの体幹・身体能力を持っていることが見えてきた。これは甲乙つけがたい好勝負である。ただし、単独で華麗に使徒を倒したことを鑑みると式波に軍配が上がるか。大熱戦である。







*1:アニメのオープニング、『:序』の次回予告は除く。

*2:アメリカからEVA3号機が送られてきた時は空路だった。

*3:シンジ、トウジ、ケンスケの3人は第3新東京市立第壱中学校2年A組のクラスメイトである。このクラスにはEVAパイロット候補の少年少女が集められているので、本当の意味で一般人とは言えない。

*4:新世紀エヴァンゲリオン』「第八話 アスカ、来日」より。

*5:株式会社カラーのYouTubeチャンネルで2020年5月3日まで公開されている日本語字幕付き『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の日本語字幕では、「正式タイプ」ではなく「制式タイプ」と表記されていた。

*6:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』より。