魂のプレイリスト2022――筋トレだっていいじゃない

別に音楽じゃなくてもいいじゃない。筋トレで魂震わせましょうや。  

といっても全部家トレ用のメニューです。筋トレ有識者から見たら甘っちょろいと思いますが、どうかご勘弁を。あくまで毎日続けるのが最大の目標ですので。

知り合いのみなさんは(もちろん知り合いじゃなくても)やってみてね!


一日にやるのは

脚/お腹/背中/胸・腕・肩・背中/脂肪燃焼系/縄跳び/ランニング

のうち一つ。

だいたい30分以内に終わる。本当に調子のいい日は二つやったりもするけど、調子がよくない日は5分もやらないこともある。

その日の体調、気分に合わせてこの中からどれかを選ぶ。

バーベルスクワット三種

18kgのバーベルを担ぐ。30kgは相当きつかった。

①「5秒でゆっくり下ろす、4秒でゆっくり上げる」を20回。

②山本式3/7のスクワットを2セット。1セット目は足の幅を肩幅くらいに、2セット目は肩幅の2倍くらいに。

山本式3/7(スリー・スラッシュ・セブン)は筋肉博士(たぶん博士号はもってないけど)こと山本義徳さん考案の筋トレ法。

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スクワットでは

 3回下ろす。下で15秒キープ。

 4回下ろす。下で15秒キープ。

 5回下ろす。下で15秒キープ。

 6回下ろす。下で15秒キープ。

 7回下ろす。終了

みたいな感じ。

③山本式30-10-30(サーティー・テン・サーティー)のスクワットを2セット。1セット目は足の幅を肩幅くらいに、2セット目は肩幅の2倍くらいに。

山本式30-10-30は同じく山本さん考案の筋トレ法。スクワットでは

 30秒かけて下ろす。

 10回下ろす。

 30秒かけて下ろす。

みたいな感じ。

休憩入れながら①②③やって30分くらい。脚もきついけど腰もきつい。

このチャンネルの動画は筋トレの丁寧な解説があるので嬉しい。

脚トレ 8分間

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二人組の筋トレ系ユーチューバー、まめたまさんの脚トレ動画。

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「40秒やって20秒休憩」を8種目。太ももを集中的に攻撃される。

脚トレ 12分

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おなじくまめたまさんの筋トレ動画。

「40秒やって20秒休憩」を12種目。お尻にも効く。

このチャンネルの動画では筋トレをやりながら励ましてくれる。家でひとりで筋トレをやるとつらいので、励ましは嬉しい。

お腹

まめたまさんの動画から選ぶことが多い。

腹筋 30分

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「40秒やって20秒休憩」を30種目。腹直筋にも腹斜筋にも効く。

腹直筋 20分

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「40秒やって20秒休憩」を20種目。腹直筋を中心に攻撃される。

腹斜筋 20分

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「40秒やって20秒休憩」を20種目。こちらはお腹の横に効いてくる。

背中

家にある可変式ダンベルがバーベルにもなるやつでMAXが40kg。

というわけで40kgでやってみる。

デッドリフト「8~12回」を3セット。気が向いたらもうちょいやる。

10分~30分くらい。

胸・腕・肩・背中

まとめてやることが多い。だいたい筋トレ系ユーチューバー山澤礼明さんの動画を見る。

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山澤さんも丁寧な解説をしてくれるし励ましてくれる。

胸 20回×5種目

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大胸筋の上部・中部・下部に効く。

胸 10回×5種目

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回数は少ないけれど、足をイスとかにのっけてやる種目もあるので一つ上の動画と同じくらいキツイ。

腕 ダンベル 30秒×6種目

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二頭筋と三頭筋の両方に効く。

肩 ダンベル 20秒×6種目

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肩の前部・中部・後部に効く。

背中 ダンベル 20秒×5種目

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山澤さんの演技が見れる。背中も鍛えられる。一石二鳥。

ここまで5本の動画の筋トレをこなして、だいたい30分くらい。

脂肪燃焼系

「汗流したい!」みたいなときはどっちかの動画をやってみる。

HIIT 4分

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いわゆるHIIT(高強度インターバルトレーニング)。

「全力でバーピージャンプ20秒、休憩10秒」を8セット。

心臓と太ももが終わる。4分で地獄を味わえる。やり終わったら「二度とやるもんか」と思うけど、たまにやりたくなってしまう。

HIIT 20分

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これをやって本当に1000kcal消費されるのかは分からないが、本当にキツイことは間違いない。これもやり終わったら「二度とやるもんか」と思うけど、たまにやりたくなってしまう。

縄跳び

ふくらはぎが筋肉痛になるという意味では、縄跳びも筋トレじゃないでしょうか。上のいろいろに飽きたらやる。

「好きな音楽を聴きながら跳ぶ。曲が始まったら二重跳び50回、サビが来たら二重跳び20回。それ以外は駆け足跳び」これを5曲ノンストップで。

サビ(っぽいところ)が1曲に3回くるとすると、1曲あたり二重跳びを110回跳ぶことになり、5曲だと550回。時間は20~25分程度。

しんどかったら1曲ごとに休憩を入れてもいいし、二重跳びを跳ばずに駆け足跳びだけでもいい。でも駆け足跳びだけだとリズムが出ず単調なので、むしろしんどい。

調子がいいときは二重跳びをもっと増やすと強度を上げることができる。

縄跳びは心臓とふくらはぎに負荷がかかるので、たまにやると気持ちがいい。

ランニング

この際ランニングも筋トレということにしちゃおう。太ももとかしんどくなるし。

あまり走るのは好きではないけど、上のすべてに飽きたらやる感じ。得意じゃないので20分も走れない。

ただ、「Nike Run Club」というアプリを入れて走るとけっこう楽しかった。

このアプリは音声で励ましてくれるのでモチベーションを維持しやすいし、走行距離とかペースとかも記録してくれる。嬉しくなって60分走るメニューにチャレンジしてみたら、次の日太ももとふくらはぎがダメになってしまった。

今後もこのアプリで頑張ってみるかもしれない。

シンボリルドルフ・トウカイテイオー・サードステージ。ディープインパクト・コントレイル・そして、、、。

 競馬シミュレーションゲームの『ウイニングポスト』には、「サードステージ」という架空の競走馬が登場する。とにかく強い馬であり、ライバルとしてはほぼ絶対に勝てないのであまりいいイメージはない。逆に自分の所有馬にすることができればまず間違いなく勝つので気分は最高だ。

 サードステージの父はトウカイテイオー、そしてその父はシンボリルドルフである。シンボリルドルフは言わずと知れた無敗の三冠馬であり、息子トウカイテイオーは無敗の二冠馬である。テイオーは史実ではダービーで骨折、菊花賞には出走できず三冠はならなかったが、このゲームでは達成したことになっている*1。そしてその子サードステージも三冠を達成する。父子三代で三冠という、とてつもない記録を目撃する(時に所有馬としてその達成に関わり、時にライバルとしてそれを阻止する)のがこのゲームの醍醐味の一つでもある。

 しかし父子三代での三冠など、現実では起こり得ないことである。だからこそ、「もしこんなことがあったらなあ」と想像を膨らませながら我々はこのゲームをプレイし、ワクワクすることができるのだ。実際に父子三代での三冠が達成されていたとしたら、我々はこんなにもワクワクしながらこのゲームをプレイできなかっただろう。途方もないような・非現実的な事柄を追い求めることにこそ、ゲームの楽しさがあるのではないだろうか。しかし、こんな心配はする必要はない。父子三代はおろか、父子二代での三冠達成も現実にはなされていない。父子三代での三冠など、夢のまた夢でしかない。まさに「ゲームの中の出来事」である。

 こんなことを言うことができるのも、今日の菊花賞前までなのかもしれない。2020年の菊花賞はコントレイルが優勝した。これで7戦7勝、文句なしの無敗の三冠馬である。父のディープインパクトも無敗の三冠馬であり、父子での牡馬クラシック三冠は史上初。「ゲームの中の出来事」が今日、実際に起こってしまった。

 コントレイルの菊花賞はレース前に期待されたような楽勝ではなかった。道中はルメール騎乗のアリストテレスにぴったりとマークされ、最後の直線も同馬との追い比べになった。つけた着差はわずかにクビ差。正直、一瞬「抜かれた」と思った。過去の三冠馬を振り返ってみると、ディープインパクトは2馬身、オルフェーヴルは2 1/2馬身、ナリタブライアンに至っては7馬身の差を2着馬につけている。だからコントレイルのクビ差は地味に見える。しかし、このことからコントレイルが三冠馬の中では弱いということには決してならないと思う。直線で抜け出せず、さらにあれだけ長く併せ馬になっても抜かせないのは並みの馬にできることではない。デビューから5戦で見せてきた上がり最速の鬼脚よりも、この菊花賞皐月賞*2のような直線での叩き合いの勝負根性にこそ、この馬の真の強さを見ることができるのかもしれない。

 競馬史に残る偉業を達成したコントレイルだが、まだ三歳だ。古馬との対戦を通じ、今後次々と記録を打ち立てていくに違いない。今から本当に楽しみだ。しかし、どんな名馬にも引退の時は訪れる。気は早いが、コントレイルにも当然その時は来る。名馬の引退は常に寂しいものだが、このコントレイルに限っては寂しいことばかりではないかもしれない。なぜなら、「父子三代での三冠達成」が期待されるからだ。父子二代での三冠もこれだけ長期間なかったのだから、父子三代でのそれは本当に難しいだろう。しかし、史上初の親子二冠が達成された今、それは「夢のまた夢」ではなくなったと思う。「夢」と言っても良いのではないだろうか。いつか「ゲームの中の出来事」が覆される瞬間を見てみたい。そして、そこに至る前に、まずは無事に競争生活を全うしてほしい。今の願いはそれだけだ。

*1:三冠を達成しない時ももちろんある(プレイヤーの所有馬が負かした時など)。

*2:皐月賞は上がり最速。ただ、その末脚よりも直線でのサリオスとの叩き合いの方が個人的には印象的だった。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版 ふりかえりクイズ! ~序~

 本日2020年6月27日は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開されるはずだった日である。公開延期は残念でならないが、新作を待つワクワク感をまだ味わえると考えると悪くないかもしれない。そこで、ワクワク感をさらに高めるために新劇場版をふりかえるクイズを出したいと思う。今回は『:序』から11問。

【問題】
Q1
冒頭で葛城ミサトの愛車が爆風に巻き込まれてベコベコになった際、この車のローンは何回残っていた?

Q2
碇シンジが初めてEVA初号機に搭乗した時のシンクロ率は何%?

Q3
〈セリフ問題〉
EVA初号機が初めて出撃する直前で、ミサトが碇ゲンドウに出撃許可を取るシーンにて。
以下の~に当てはまる言葉は何?

ミサト「構いませんね?」
ゲンドウ「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に~はない」

Q4
シンジが初めてミサトの家に行った際、冷蔵庫にはビールが大量に入っていた。
この時、冷蔵庫に入っていたのはヱビスビールと何ビール?

Q5
相手に自分のぬくもりを伝えたいと思っても、身を寄せれば寄せるほど体中でお互いを傷つけてしまう。
これを何のジレンマと言う?

Q6
EVA零号機の起動実験中の事故以来、綾波レイが大切にしているゲンドウの持ち物は何?

Q7
第6の使徒が襲来した時、ジオフロント上部の特殊装甲は何層目まで完成していた?

Q8
〈セリフ問題〉
第6の使徒戦を前にして、シンジとレイがプラグスーツに着替えているシーンにて。
以下の~に当てはまる言葉は何?

シンジ「これで死ぬかもしれないね」
レイ「いいえ、あなたは死なないわ。私が守るもの」
シンジ「僕に~なんてないよ」

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「私が守るもの」(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)


Q9
〈セリフ問題〉
第6の使徒戦を前にして、満月の中シンジとレイが話しているシーンにて。
以下の~に当てはまる言葉は何?

シンジ「綾波は、なぜEVAに乗るの?」
レイ「絆だから」
シンジ「絆?」
レイ「そう、絆」
シンジ「父さんとの?」
レイ「~との」

Q10
〈セリフ問題〉
第6の使徒殲滅後にシンジがレイを助けるシーンにて。
以下の~に当てはまる言葉は何?

レイ「何泣いてるの?」
シンジ「(嗚咽)」
レイ「ごめんなさい。こういう時どんな顔すればいいのか、分からないの」
シンジ「~」

Q11
"It's only love  It's only love"で始まる『:序』の主題歌は何?

【答え】
A1
「12回」
第4の使徒が襲来する中、ミサトは愛車でシンジを迎えに行き、NERV本部へ向かう。この途中、国連軍がN2地雷を使って第4の使徒を殲滅しようとした際に爆風が発生。ミサトとシンジが乗った車はこれに巻き込まれ、ごろごろと転がりベコベコになったしまった。
なお、テレビシリーズでも同様のシーンがあるが、こちらではローンが33回も残っている。

A2
「41.3%」
初めてにしてはかなり高いらしい。テレビシリーズでも41.3%だった。

A3
「未来」
使徒サードインパクトを起こされると人類は存続できないので、未来もない。未来のために人類は使徒を倒し続けなければいけないのである。しかしゲンドウには他の狙いがあった。自らの願望をかなえ、自身の望む未来を手にするためにも、ゲンドウは使徒を倒さねばならなかったのである。

A4
キリンビール

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ミサトの冷蔵庫をのぞき込むシンジ。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)


ミサトの冷蔵庫には氷、つまみ(ドリトス)、ビールなど、酒関係のものばかりが入っている。普通冷蔵庫にドリトスは入れないと思うが…
ちなみに、テレビシリーズでも同様のシーンがあり、この時冷蔵庫に入っていたビールはヱビスビール1種類だけである。

A5
ヤマアラシのジレンマ」
赤木リツコが転校当初のシンジの様子・性格を見て言った言葉。ヤマアラシや人間は必要に駆られて相手に近づくが、近すぎると不快になったりする。適度な距離感を見つけることが肝要らしい。シンジは他者と近づくことに伴う痛みを恐れ、近づくことができない段階にあるという。当初のシンジの性格を表す象徴的な言葉である。
なお、実際のヤマアラシは針のない頭部を寄せ合って近づくことができるらしい。

A6
「メガネ」
ゲンドウはかなり高い場所からこの実験を見ていたが、事故と分かるとすぐに駆け下り、熱々のエントリープラグをこじ開けてレイを救出した。その時にゲンドウはかけていたメガネをL.C.L.に落とし、壊してしまった。それ以来ゲンドウは色付きメガネ(サングラス?)をかけている。
レイはそのメガネを大切に保管し、ことあるごとに眺めている。第6の使徒戦の際にも、エントリープラグ内に持ち込んだ。

A7
「22層目」
この時点で第22、23番目の装甲帯が建設中、25層目までが計画されていた。結局、この装甲は『:破』で第10の使徒が襲来する時までに24層目までしか完成しなかった。
第6の使徒が22層の装甲を突破するには10時間以上時間がかかっているが、第10の使徒は24層全ての装甲を一瞬で突破した。

A8
「守る価値」
テレビシリーズでも同様のシーンがあるが、「僕に守る価値なんてないよ」という言葉はなかった。『:序』の第6の使徒戦では、リリスを見せられて初めてエヴァに乗ることを決意するなど、アニメの「第六話 決戦、第3新東京市」に比べ、EVAに乗りたくない・自信がないというシンジの心持ちがより強く表現されている。

A9
「みんな」
Q6でも見たように、レイとゲンドウの結びつきはかなり強い。しかし、レイがゲンドウ以外の人間と心を通わせることを拒んでいるのではない。ここで「父さんとの(絆)?」と聞かれて「みんなとの」と言い直しているのがその証拠だろう。

A10
「笑えばいいと思うよ」
言わずと知れた名セリフ。あの状況で「笑えばいいと思うよ」なんて優しい言葉をかけることができる14歳はシンジくらいではないか。
このシーンだが、テレビシリーズ、旧劇場版、新劇場版で3種類存在している。詳しくは以下のリンクをご覧いただきたい。

le-cheval.hatenablog.com


A11
「Beautiful World」
「:序」の主題歌は宇多田ヒカルの『Beautiful World』だった。宇多田ヒカルは『:破』、『:Q』でも主題歌を担当した。(『:破』は、『Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-』、『:Q』は『桜流し』)
新劇場版は宇多田ヒカルの主題歌とともに記憶している人も少なくないと思うので、『シン・エヴァンゲリオン』でも引き続き担当してほしいと思う反面、テレビシリーズと旧劇場版の高橋洋子の声を再び聴いてみたいという気持ちもある。

シンジ、心のむこうに

 惣流・アスカ・ラングレー式波・アスカ・ラングレー)や綾波レイ渚カヲルBIG3(BIG4?)の陰に隠れがちだが、エヴァンゲリオンの主人公はもちろんこの人、碇シンジである。彼は普段はおとなしい性格をしているが、物語が進むにつれて色々な表情を見せてくれる。今回は、そんなシンジ君の感情がほとばしるシーンをいくつか見ていきたい。

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瞬間、心、重ねたのはいつ?

 アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の舞台は2015年である。第壱話から順番に見ていくと、様々な出来事が起こる。見ているうちにそれぞれの出来事が何日に起きたか気になって寝られなくなることがあるかもしれない。今回は、劇中のいくつかの場面が何日に起こったか考えたい。

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チャーハンはスプーンで食べたい

 チャーハンほどおいしい飯料理はないのではないか。しっかりと味のついた白米に、細かく刻まれた材料が密に絡み合う。口にチャーハンが飛び込んで来たその時、脳は考えることを忘れ、しばしその味に支配される。様々な味を一度に味わえるのもチャーハンの良い点だ。普段の食事においては、色々な味を楽しもうと思えばたくさんの種類のおかずを食べなければならない。それはそれで楽しいことなのだが、世間の人ほど食事を楽しめない私にとっては時にそれが苦痛になる。チャーハンを食べれば、短い時間で食の奥深さを実感することができる。まさに食の王様なのである。 

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ビンタ特集 —新旧エヴァ名シーン比較④—

 「びんた・・・平手で他人のほおを打つこと。」(明鏡国語辞典より)

 感情が高ぶった時、人は思わず目の前にいる者の頬を打ってしまうことがあるらしい。それはエヴァンゲリオンのキャラクターでも同様である。今回はエヴァンゲリオンの珠玉のビンタシーンを見ていきたい。

綾波→シンジ

綾波「あなた、碇指令の子どもでしょ?」
シンジ「うん」
レイ「信じられないの?お父さんの仕事が」
シンジ「当たり前だよ!あんな父親なんて!」*1

 このやり取りの後に、シンジは綾波にビンタされてしまう。これはシンジが初めて綾波の家に行った後、NERVの長いエスカレーターで二人が会話しているシーンだ。*2この時、綾波碇ゲンドウ以外の人物に心を開いていなかった。綾波にとって大事な存在であるゲンドウをシンジが「あんな」父親と言ったために、綾波は激怒したのである。家に侵入されてあんなことをされても怒らなかった綾波が急に怒ったため、シンジはさぞ驚いたであろう。それだけ綾波にとってゲンドウの存在は大きいのである。
 ただ、シンジが「あんな」父親という気持ちもよく分かる。11年も放置されたあげく、呼び出されたと思ったら急に意味不明な物体に乗せられて怖い思いをしているのだから。転校早々クラスメイトに殴られるなど、過酷な体験もしている。あれで逃げ出さない方がおかしいだろう。

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シンジの頬にジャストミート。(『新世紀エヴァンゲリオン』「第伍話 レイ、心のむこうに」より。)

  綾波の右手は正確にシンジの顔面を捉えている。白鵬の張り手並みの正確さである。

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ビンタされて赤くなるシンジの頬。(『新世紀エヴァンゲリオン』「第伍話 レイ、心のむこうに」より。)

 威力もなかなかだ。

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新劇場版でもジャストミート。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)

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アニメ版より赤くなっているかも。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)

 綾波はほとんどの人に心を開いていないが、心を開いた人のためには割と何でもしちゃうタイプだ。*3綾波にとっての大事な人は侮辱しない方が身のためであろう。

アスカ→3バカトリオ
 テレビシリーズの「第八話 アスカ、来日」で初めてアスカと会った3バカトリオ(シンジ、トウジ、ケンスケ)。タイミング悪く風が吹いてきたことで、彼ら3人はアスカのパンツを見てしまう。アスカはトリオに強烈なビンタをお見舞いするのであった。

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痛々しい3バカトリオ。(『新世紀エヴァンゲリオン』「第八話 アスカ、来日」より。)

 手形も付きしっかりと腫れている。相当な威力だろう。ご存知の通りアスカは喧嘩っ早そうな性格の持ち主だ。できることなら怒らせない方がいいだろう。

ミサト→リツコ
 普段は仲良しのミサトさんとリツコさんだが、二人の間にも緊張が走る時がある。テレビシリーズの「第拾六話 死に至る病、そして」ではビンタにまで発展してしまった。
 第拾六話では、シンジを乗せたEVA初号機が第12使徒レリエルディラックの海に取り込まれてしまった。リツコは初号機の強制サルベージを計画するも、それは機体の回収を最優先とするもので、パイロットの生死は問わないとされた。それを聞いたミサトは激怒、リツコの右頬をビンタした。
 ミサトにとってシンジはただの部下ではなく、普段は一緒に暮らす弟のような存在でもある。よって、ミサトがビンタするほど怒るのも分かる。ただし、リツコの言うように初号機が取り込まれてしまったのはミサトの作戦ミスである。それも踏まえるとビンタするのはやりすぎだろう。ミサトの尻拭いをした上にビンタまでされるリツコはかわいそうである。

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メガネが吹っ飛んでいる。(『新世紀エヴァンゲリオン』「第拾六話 死に至る病、そして」より。)

 少し見えにくいが、リツコのメガネは吹っ飛んでいる。私の経験上、真横からの強い衝撃に対してメガネのフレームは弱い。これほどの衝撃を受ければ、曲がったり折れたりしてもおかしくない。リツコはこの後、このメガネを拾ってかけている。曲がることすらしていなさそうだ。リツコの給料は高そうなイメージがあるが、メガネも衝撃に強い高いものを買ったのだろうか。

 新劇場版でも、第拾六話に類似する「ミサト→リツコ」のビンタのシーンが登場する。しかし、本編に登場することはなく、『:序』最終盤の次回予告に少し出てきただけだった。個人的には第拾六話のビンタシーンはお気に入りなので、『:破』でも見たかったものである。
 次回予告のビンタシーンはぱっと見では第拾六話に似ている。しかし、いかんせん短いシーンであり、声も入っていないので、どのような想定で作られたものかは分からない。

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ミサトもジャストミート。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)

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またまた吹っ飛ぶメガネ。(『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。)

 非常に見にくいが、またメガネが吹っ飛んでいる(画像左下)。これもなかなか強烈だ。『:破』で仮にこのシーンが登場していれば、間違いなく見せ場の一つであっただろう。

 現在BS日テレで『新世紀エヴァンゲリオン』が再放送中、ABEMAでは新劇場版が期間限定で公開されている。ぜひビンタシーンに注目しつつ見てほしい。




*1:新世紀エヴァンゲリオン』「第伍話 レイ、心のむこうに」、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』より。

*2:このエスカレーターは異常に長い。実際に乗ったらとても怖いだろう。手すりの外側になんのカバーも無さそうなのも恐怖をあおる。

*3:テレビシリーズの「第弐拾参話 涙」での自爆、『:破』での使徒への単騎特攻などはシンジのためにとった行動であったと言えよう。